(みまさん・とうこうじ)
佐賀県西部に位置する三間坂は長崎県境を塞ぐ神六山の裾野に拓けた盆地で、信仰の中心は黒髪山に縁起している。
東光寺は国道35号線から南に入ったところに在り、参道を分けて左側に幼稚園が営まれている。寺史には弘法大師が巡錫の砌り黒髪山に西光密寺(大智院)を創建されたとき、その末寺として建立されたと伝えられているが、阿忍僧正をもって中興開基としている。阿忍僧正は天文十六年(1547)、東光寺を再建して本尊に薬師如来を安置した。脇持は阿弥陀如来と聖観音を合祀し、後の明暦二年(1656)城主茂和の命により黒髪大権現を勧請して鎮守神と崇め、神仏合体の信仰を宣揚した。
脇持の阿弥陀如来は安阿弥の作と伝え、厨子に願文が書されている。それによると『曰奉造厨子一字信心。大檀那後藤藤原純明公。権少僧都阿忍。天文十六年卯月八日 東光坊』とある。その後、領主(後藤家)の崇信は篤く、元亀三年(1573)貴明は仏殿を造営し、寛文七年(1667)茂紀は仏像の修復に寄与するなど、代々料米を下附して外護につとめられた。しかし、明治三年の神仏分離令によって鎮守社は近くに独立移転し、東光寺も寺運の衰退気味になるも、法灯は継承され先代隆堅和尚により現在のように伽藍が整備された。
寺宝として現存する兼好法師撰、小倉山京極定家筆「真髪山紀事」の古文書は、弘法大師と黒髪山との関係を知る上での貴重な史料である。
身丈二十センチほどの観音像(制作年代不詳)に異国の信仰が偲ばれる。右手の結んだ印が親指と中指で十字の形をしており、隠れキリシタン観音と呼んでいる。美術品としてみる仏像の価値観より、祈りという信仰の心を覗くことができる。また、白く美しい正観音(ボーンチャイナ)も信仰を集めている。
住職 | 大石隆敬(S17.11.24生)高野山大学卒(S40) |
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他の役職 | 学校法人東光学園理事長(兼 三間坂幼稚園園長) |
2月3日 | 星祭 |
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5月1日 | 花祭水子供養・紫燈護摩供 |
7月8日 | お施餓鬼 |
12月5日 | 暮説教先祖総供養 |
12月31日 | 除夜の鐘 |
その他参詣 正月修正会 ・ 春彼岸 ・ 秋彼岸
・春の桜
・隠れキリシタン観音像
・金運大黒(だき大黒)
・白磁観音像(ボーンチャイナ)
九州薬師霊場の第37番札所である。
宗派 | 真言宗大覚寺派 |
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本尊 | 薬師如来座像 |
TEL | 0954-45-4533 |
FAX | 0954-45-4860 |
住所 | 〒849-2303 佐賀県武雄市山内町大字三間坂甲14866 |
アクセス |
・JR佐世保線三間坂駅から徒歩15分 ・武雄温泉から国道35号線を西へ、三間坂幼稚園の案内板を左折する ・境内下に駐車場あり |